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描写力をつける

場面の描写が文章を豊かにする

 人は五感で物をとらえます。文章でも、物の色や形、においや柔らかさなどを絵に描くように表せば、読み手はその物を心にはっきりと思い浮かべることができます。

 教室では、「うれしい」「たのしい」「怒っている」などの感情を、人の顔・しぐさ・背景などで表現することに取り組みます。感情だけでなく、「大雨/小雨」「強風/そよ風」など、天気の描写にも挑みます。 「大雨」や「ザーザー」という言葉を用いないで読み手に雨の降り方を悟らせるために、自分が本当に見た雨つぶの形・木の動き・空の色・肌の感覚を思い出し、言葉にします。

「人・時・場」を豊かに描く力をつけることが、表現への第一歩です。


課題:運動会の一瞬を熱く描く

講師のコメント

 いいねぇ、勢いを感じる文章だねぇ!!

 前へ、前へと走る君の姿が見えるようだ。一つ目、二つ目と障害物を越えていく度にスピードが増していくのがわかる。特に最後のマットなんて、最高だ! とびばこを越えたときに生えた羽が、君の体を舞わせている。手など使わなくても軽々と一回転できてしまうんだろうね。いいねぇ、この勢い! 読んでいる私も体が軽くなったように感じる。

 文の短さでリズムを作り、音や体の感覚でスピードを見せる。よい工夫がいっぱいだ。それに、一位を取るために、「他の人のことは考えず、ただ自分だけを感じながら走る」という、胸の熱い思いを書いているところもいい。

 レースらしい、気持ちが熱くなる作文だった。こんな風に走れるのなら、私も走ってみたいよ!たまらないな!

多角的に考え、意見を述べる

意見を支えるのは、高い分析力と論理的思考力

 多角的に見る力と論述力を高めます。 人はものを考えるとき「自分」を基点にして考えます。しかし「自分」の側から見てばかりいるのでは、ものごとの本質を見抜くことはできません。

 教室では、「~とは何か」と定義するために、「動きをとらえる・対になるものを考える・類似を探す・相違点を挙げる・逆を考える・仮定する・統合する」など、考えを深めるための手法を試していきます。さらにそれらを用いてディベートや意見文、10分で書く作文などに取り組み、的確に本質を言い表す力をつけていきます。


課題:10分作文「つかむとは」

講師のコメント

 10分という短い時間でどれだけ書けるか。プレッシャーがかかるね。おまけに挑戦する度に記録を伸ばせ、と私が追い討ちをかけたものだから、余計にドキドキしたと思う。
にもかかわらず、だ。よく書いたねえ! 何が何でも書かなくては、という集中力の賜物だろうか。いつもと違った雰囲気の文章になったね。 人は何もしていないようでも、何かをつかみ、何かを握りつぶしているのか。なるほどね。握りつぶすたびに、身につくことや、次に挑戦すべきことが生まれるのかもしれないね。

こういう哲学的なこと、どんどん考えていくといいと思う。本当は、作文のテーマは自分で見つけていくものだと私は思っている。語りたいことを語っていくのが「文章表現」なのだからね。自分に問い、『○○は~だ』と定義づけ、それをまた疑い、検証していく。書くことはすなわち考えること。今回は、急ぐ中でもそれがよくできたと思う。

 今回のように大きく物事を見て考えていくこと、これは君の新たな力になっていくように思う。どんどん試して表現の武器にするといい。楽しみにしているよ。

読解力を刺激する

多様な世界を読み解き、価値観を育成する

 ここでいう読解力とは、国語の問題を解く力のことではありません。昔話をはじめ、格言、絵画、商品、時事問題、この世界に存在するありとあらゆるものをテーマにし、分析と考察を重ねていく力のことを指しています。

 講義では、題材の中に含まれている言葉や行動は何の表れか、あるいは何の置き換えか、自分はなぜそう考えるのか、それはどういう見方によるものか…と、自問自答することを奨励します。常識が答えとなるとは限りません。答えが一つに定まらないものに挑むのが、教室の講義です。見えるものの奥にある、見えないものを見ようとし、「人の生きる姿と価値観」について深く思考する機会を持ちます。

作文では「きれいにまとめる」ことより「己を深耕する」文章を書くようにと求めています。


課題:『セミとアリ』(『アリとキリギリス』)の読解

講師のコメント

 アリの認識・アリの思想。「役立つこと」であるかどうかが判断の基準なのだね。目前の損得で行動を決める流れは確かにある。命がつながればいい。ただ無難に、うまく、世を渡って行ければいい。そのためのスキル、そのための勉強。

 ただ生存するためだけの生き方を、君が「生きごこちのない」ものと考えているのを嬉しく思う。一見役立たないように思えるものの中には、人の核を養うものがあると君は考えている。私も同感だ。点数さえよければ何をしてもいい、本を読むのも文を書くのも点数を上げるため・・・なんていうのはなにやら味気ない。

 アリとセミでは器の大きさが違う、と君は書いた。文脈からいえば、セミの方が大きいということだろう。では君は、どう生きることを望む? セミにとっては「歌う」のが、自分そのものだった。君にとっては、何が核となるだろう。 セミは地中で機を待ち続けた。君も自分の場を得たときに存分に羽ばたけるよう、これから自分を耕し続けることになる。時間をかけて、自分の「何か」をつかんでほしい。そう願っている。

想像力を養う

文章表現の最高峰である創作文に挑む

 プロの作家と同様に、人物を「説明」するのではなく「悟らせる」ように描きます。「こわがりの子」なら、何かの様子におびえるその子の様子を頻繁に入れることで「こわがり」と知らせるのです。また、自分の都合で登場人物を動かすのではなく、「こわがりの子だったらどう行動・決断するか」と考え、その子らしい言動をとらせます。

 独自の想像の世界を楽しみつつ、他の人にもその世界を楽しんでもらえるようにと、話の展開にも人・時・場の描き方にも、工夫を凝らしていきます。


課題:動物昔話

講師のコメント

 いい話だなぁ! すてきなものを見つけてうれしくなって、ちょっと悪ノリしていつもと違うことをしてみたくなるリス。なんだかこのリスのこと、すごく大事にしたくなる。一度読んだら忘れられないお話だな。それはちょっと切ない表現があるからかもしれない。

 殻を見つけてしっぽにくっつけて、喜んでいるリスの姿も、動きにくい・取れないと気づいて胸がぎゅっと苦しくなる場面も、あきらめて殻をひきずって歩くリスのふさいだ気分も、はっきり言葉にしているわけではないのに、想像できてしまう。さみしかったり苦しかったりが、読み手の心にも響いてくる。 殻がとれた後も、しっぽは殻とおなじように丸まったまま。「全部が元通り」のハッピーエンドじゃない。自分のしっぽを見るたびに、きっとリスは多くのことを思う。その「物語の先」までを感じさせる余韻がまたいいなぁと思う。

 あなたの話は整っているからいいのではなくて、なにかちょっと、あなたの断片がいつも話のどこかに入っているのがいいよね。あなたは語る力を持っている。いや、自分を見せる力かな。素敵な力だ! 次の作品も楽しみにしているからね!